屋久島(荒川〜縄文杉〜永田〜宮之浦岳〜淀川)

【前書き】
 会社登山部で少しは良いところに連れて行ってやりたいとのことで屋久島を計画したが、事前練習の福智山〜皿倉山縦走の膝へのダメージが回復しないままこの日を迎えてしまった。歩ける自信はないが、それなりの歩き方を工夫するのも勉強。
 娘から、熊本の地震で皆が苦労しているこの時期に山などに行くのは不謹慎と注意を受けたが、九州道と九州新幹線が復旧しないこの時期に予定通り屋久島に行くことは観光業を生業とする鹿児島や屋久島の人のためになるんだ、と反論しておいた。

【年月日】’16.4.27(水)〜29(金)
【コースタイム】
(移動)
27日(水):会社(20:05)→(九州道)→植木IC(22:05)→国道→御船IC(23:10)→(九州道)
28日(木):                   →鹿児島北IC(1:10)→鹿児島本港(高速船ターミナル)駐車場着(1:25)
        高速船 鹿児島南埠頭高速船(7:45)→宮之浦港(9:45)
        バス 宮之浦港(10:00)→安房(10:39)  “できたてや2”で予約していた弁当を受取り
        タクシー 安房(10:50)→荒川登山口(11:25)  \4390

(登山)荒川登山口(11:45)→小杉谷小跡(12:45)→楠川分れ(13:15)→大株歩道入口(14:20)→ウィルソン株(14:50)
     →大王杉(15:35)→縄文杉(16:05-10)→新高塚小屋(17:20)泊り

29日(金):新高塚小屋(5:35)→第二展望台(6:15)→平石(7:25)→焼野三叉路(7:50)→宮之浦岳(8:15-30)
       →最後の水場(9:12)→投石平(10:15-30)→黒味分れ(11:00)→花之江河(11:15)→小花之江河(11:25)
       →淀川小屋(12:35-50)→淀川入口(13:33-40)→紀元杉(14:05)
(移動)
       バス 紀元杉(14:50)→安房(15:49) タクシー(15:50)→宮之浦港(16:15頃)
       高速船 宮之浦港(17:00)→鹿児島南埠頭(19:05)
       駐車場(19:25)→鹿児島北IC(19:40)→(九州道・熊本で停滞)→帰宅(1:30頃) 

【同行者】会社登山部M君

【写真と解説】


 膝が悪化しないように、腰をひねって痛めないように、とにかく縦走が完了するようにそれだけを考えながら歩きました。
 小杉谷橋手前の線路に結構新しい気動車と数人の作業員の方々が集まっていました。まだこの軌道を使っているんですね。
 小杉谷小学校跡から先のトロッコ道には枕木の上に歩行用の板が張ってあるので比較的歩きやすいです。


 連休前日なので比較的人が少ない中、やっと縄文杉まで来た時には明らかな雨になり、ここまで雨具も着けずに来たので縄文杉を見るより、雨具を着るほうが先です。
 写真を撮ろうとしたら手前の木が邪魔になって良く見えない。もう良いや、と直ぐに高塚小屋に向かう。新築された高塚小屋はほとんど満杯で新高塚小屋に向かう。
 新高塚小屋は比較的空いており、入り口付近の2階に陣取るが、壁際の床は雨漏り?で濡れているし、壁のカビがすごい。夜中に天井から時々水滴が降ってくるのにも困った。連日の雨のせいだろうか。
 低気圧が昨晩通過し、高気圧が接近しているので晴れるはずが、夜中も雨が断続的に降る。
 一晩中、一人の登山者の鼾が小屋中に響き渡っていた。外人さん達も結構うるさかった上に相当早い時間に小屋を出発していった。
 寝始めて直ぐに足が攣ったが直ぐに治まった。良く考えると今日は歩行中にほとんど水分を取っていない。500mLペットボトル1本程度。


 6時出発の予定であったが、未明出発者の音で目が覚めたので少し早く出ることにした。
 登りは膝への衝撃も少なく、ゆっくり歩けば特に問題ない。ゆっくり歩くから逆に休憩する必要もない。
 第二展望台から山頂が尖った翁岳が見えて、本日快晴で良かったと思う。


 樹林帯を抜け、正面トップの平石岩屋まで行けば、眼前に宮之浦岳が広がります。


 平石岩屋から目の前に宮之浦岳。ここを登っていくと思うと元気が出ます。


 永田岳北東の峰です。ネマチ(W)でしょうか。


 宮之浦岳山頂に着く前から山頂にガスが掛かり始めました。低気圧が通過して西高東低の気圧配置で北風が強く、山岳に沿った上昇気流で雲が沸いているのかもしれない、と想像しました。ガスの切れ間から永田岳が見えました。


 これから歩く南側には雲はありません。左の峰が翁岳です。右端が黒味岳です。


 下りながら宮之浦岳を振り返りました。


 景色も良いし、ゆっくり歩けば疲れないし、喉も渇きません。やはり最高の季節です。雨が降って水も豊富。水筒も不要です。前回の7月登山時には水不足で苦労しましたが。
 正面の左側の峰が黒味岳でしょうか。右下が投石平です。


 投石平の巨岩の上で休んでいると傍で鹿が木の芽を食べていました。写真右下です。ずっと逃げません。


 5年前と変わらず花之江河では鹿2頭が植物を食べていました。環境省は何も対策を打つ気がないようです。
【後書き】
 膝、腰の状態が悪かったにもかかわらず、予定よりも速く歩けたので淀川小屋に泊まる予定を変更して家に帰りました。帰りに紀元杉から乗ったバスの運転手さんにはタクシー確保のために気を使って頂きました。屋久島自然館、牧野でもタクシーが見つからず、安房のバス停前手前で走行中のタクシーを手の合図で止めて頂きました。5年前の前回もそうですが、山から下山してバスの運転手さんには大変お世話になりました。モッチョム岳の“モッチョム”の意味についても詳しい解説ありがとうございました。
 体の状態が万全で無いにもかかわらず、予定よりも速く歩けたのは意外でした。良い勉強になりました。次は屋久島で何にトライするか。また、来ます。


【前書き】
 娘が縄文杉をどうしても見たいというので色々計画したら、それまで4〜5日ないと行けないと思っていた屋久島も最低3日あれば、十分に縦走できることが分かった。屋久島には20数年前に登っている。今までに登った山の中で最高の山だと思っている。義母も縄文杉を見に行きたいといっているので下見も兼ねて行ってみることにした。

【年月日】’11.7.14(木)〜17(日)
【コースタイム】
(移動)
14日(木):博多バスターミナル(23:55)→(鹿児島行き高速夜行バス)                     往復 \8,000
15日(金):                   →鹿児島本港(高速船ターミナル)着(6:23)
        高速船 鹿児島南埠頭トッピー82便(7:45)→宮之浦港(9:45)                   往復\14,000
        バス 宮之浦港(10:00)→安房(10:42)                                     \810
        タクシー 安房(10:50)→荒川登山口(11:25頃)                               \4,580

(登山)荒川登山口(11:40)→小杉谷小跡(12:30)→楠川分れ(13:03-10)→大株歩道入口(14:10)→ウィルソン株(14:38-50)
     →大王杉(15:45)→縄文杉(16:30-40)→高塚小屋(16:50)泊り

16日(土)
       高塚小屋(4:55)→新高塚小屋(6:02-10)→第一展望台(6:35)→第二展望台(7:00)→平石岩屋(7:50-8:00)
       →平石(8:18)→焼野三叉路(8:45)→永田岳(9:50-10:05)→焼野三叉路(10:55)→宮之浦岳(11:25-55)
       →最後の水場(12:35)→投石平(13:35-50)→黒味分れ(14:20)→花之江河(14:35)→小花之江河(14:50)
       →淀川小屋(16:00)泊り

17日(日)
       淀川小屋(8:00)→淀川入口(8:40)→紀元杉(9:07)
(移動)
       バス 紀元杉(10:39)→(11:42)合庁前(乗り換え)(11:56)→宮之浦港(12:33) \940+\780=\1,720
       高速船 宮之浦港トッピー84便※(13:30)→鹿児島南埠頭(15:30)  ※本来は安房発。台風6号の影響で変更。
       高速バス 鹿児島本港(高速船ターミナル)(15:55)→博多バスターミナル(20:20) 

【費用】交通費  \29,110
【同行者】単独

【写真と解説】


 今回の登山計画はコースを変えて色々計算しました。20数年前に嫁さんと淀川小屋から登った時の印象は強烈でした。幻想的な霧の中の花之江河、突然目の前に現れる宮之浦岳、光り輝く縄文杉。南に向かう今回のコースよりも北へ向かう淀川から登るコースの方が写真を撮るのに逆光にならずに良いのではないかとか。十方山の疲れも取れていない中で2日間歩き通せるのか、不安もありました。夜行バスで眠れないまま歩く羽目になるのでは?とかも。高塚小屋が満杯だったらどうする?
 考えてもきりが無いのでとにかく行くことに。夜行バスはやはりあまり眠れませんでしたが、横になっていただけでも良いか。独立3列シートですから結構ゆったりしていました。箸を忘れてきたので高速船ターミナルの売店で割り箸が無いか聞きますが、ありません。
 上の写真は今から乗るトッピーと桜島です。


 トッピーの中では寝ていようかと考えていましたが、外を見ていると開聞岳も見えてきたのでザックからカメラを取り出してパチリ。昔、知覧基地から特攻で飛び立った若者達は、この開聞岳の近くを飛んで行ったとか。かわいそうなことをさせたものです。


 トッピーは時速80km/hで水中翼で浮上して走ります。鹿児島湾を出ると暫くして硫黄島と竹島が見えてきました。写真右が硫黄島、左が竹島です。


 宮之浦港に着いたら直ぐにバスに乗って安房へ。安房ではモスバーガーの前にまつばんだ交通タクシーを予約しています。既にタクシーが待っていました。運転手さんが「弁当買ってく? 前に弁当屋があるよ。」というので少し迷って買うことに。本当は、昼食は前田のクラッカーで済ます予定でしたが、弁当の方が体に良いだろうと。
 荒川三叉路から荒川登山口までの4kmは一般車乗り入れ規制区間で、チケットの購入が必要ですが、門番さんが荒川登山口に来ていて、「この時間から登って大丈夫か?」と聞いてきます。日帰りではなく、高塚小屋か、新高塚小屋に泊まることを説明する。
 弁当を食べて、登山届けを出して出発。 


 今回は、詳細な登山計画書を作っています。昭文社の地図の標準歩行時間の1.2倍で計算して、高塚小屋着が17:10の予定。写真を撮ったり、水を飲んだりする時間を加えれば、大体、標準時間の1.2倍位になるでしょう。
 荒川登山口から大株歩道入口までは約2時間20分でトロッコ道歩きです。これが暑くて、単調で疲れる。自分で決めた時間で歩こうとするから精神的にも疲れるし、どうもザックのベルト調整が不適で肩が痛い。最初から調子が今一。


 第一通過地点の小杉谷小跡に中々着かないな〜と歩いていると立派な橋が。もしやこの先に小杉谷小学校跡があるのか?
 このあたり周りにも誰もいません。時々、下山の人間が来ますが、極まれです。


 ありました。学校跡の説明写真があります。昭和45年に閉校。今から約30年前です。最大時には540人がこの一体に住んでいたのですから大したものです。買い物にはトロッコに乗って町まで出ていたようです。


 さらに歩くとバイオトイレがありました。バイオトイレの設置とは別に、屋久島では登山者に携帯トイレの持参を勧めているようです。携帯トイレ専用のトイレがところどころにあります。自分の大小便を持って歩くのは抵抗がありますが、今後はそれが当たり前になるかもしれません。


 トロッコ道を離れて、本来の登山道になる大株歩道入口では、縄文杉見学の日帰り団体が下山してきて、待てども待てども入れません。これだから団体は嫌いです。少人数のガイドさんに連れられたグループは教育を受けているのか、気持ちよく道を譲ってくれます。本当にガイドさんに連れられたグループが多いです。また、若者が多い。若い人が山に入るのは良いことだと思います。トロッコ道でも若者は基本的に登りの単独の私に道を譲ってくれます。どっちが退くんだと最後まで接近するのは中高年か、本土のガイドに連れられた団体です。私も意地を張っているわけではなく、一人歩きの自分が退けば、多くの人が避けるよりも合理的との考えはあるのですが。
 ウィルソン株に着きました。あれ?こんなだったっけ。20年前と比べて小さくなったような。


 中に入ってみたら、広い。10畳位はあるでしょう。
 この辺りで最後の下山者と出会いました。荒川登山口には一般車は入れないので、基本的にバスか、タクシーしか交通手段はありません。最終バスは18:00発ですから、日帰り登山者はこの時刻にこの辺りから下山しておかないと帰れなくなってしまいます。
 ということは、これから先の登山道は俺一人だ〜。


 20数年前に登った時にはこういう木道はありませんでした。これだけ登山者が多いと登山道のえぐれも大きいでしょうから木道設置は仕方ないかもしれません。今日すれ違った登山者は200〜300人いたかもしれません。


 枝と枝が繋がった夫婦杉です。


 縄文杉です。デッキが設置してあります。縄文杉には近寄れません。デッキには撮影ポイントが2箇所設置されていて立ち止まらないように注意書きがあります。まるで昔の上野動物園のパンダ観察のようです。混雑時期には30分待ちの30秒観察かな。しかし、今回は20数年前に観た感動がありません。デッキの存在か。良く分かりません。 


 縄文杉の手前で水を汲んで泊まる予定の高塚小屋へ。5〜10分の距離です。14人程度しか泊まれない小屋ですから満杯だったらどうしようかと心配でしたが、二階が空いていました。20数年前に嫁さんと泊まった2階の北側隅の同じ場所に寝床を確保しました。
 小屋の前のテント場は大型テントや小型テントで一杯です。テント泊者は宴会で大騒ぎ。
 夜寝ているとカサカサと音がする。トコトコかな。明らかに小型哺乳類の足音。ネズミ?

 1階の住人に前日に何時に起きるか聞いていたので、同じ4時過ぎに起きました。フランスパンとソーセージを食べて、短時間で荷物を片付けて、取りあえず小屋の外に出て、トイレに行って出発です。外はまだ薄暗く、ヘッドランプを付けて出発です。


 暗い道を1時間ちょっとで新高塚小屋に着きました。ここでペットボトルに水を詰めて出発です。
 私はここまでの森も綺麗だと思います。屋久島では縄文杉が注目されて、縄文杉目当ての観光客も多いと思うのですが、私は縄文杉より上部の山と森の景色が好きです。特に樹林帯を越えた屋久島笹に覆われた宮之浦岳や永田岳の姿が突然目の前に現れる自然の演出。


 第一展望台の木の陰から朝日に輝く宮之浦岳が見えました。周囲はまだガスが掛かっているのですが。


 第二展望台を過ぎると右に大きな岩が見えてきました。ビャクシン岳のようです。


 樹林帯を完全に抜け平石岩屋への登りです。鹿がこちらを覗いています。


 平石岩屋の岩の上に登ると目の前に宮之浦岳の全貌が一瞬だけ見えました。これまで樹林の中をずっと歩いてきたので、屋久島笹の緑の絨毯に覆われた解放された景色は、それはそれは素晴らしいものでした。また、見えたのが一瞬だけ。残念ですが、それがまた良い。


 平石岩屋の別の鹿です。逃げませんね。20数年前は鹿の鳴き声は聞こえても姿を見ることはありませんでした。何かおかしい。鹿が異常に繁殖している。



 平石付近から宮之浦岳です。体力的に永田岳に寄ろうか、迷いましたが、まだ8時過ぎ。時間的にもゆとりがあるので、焼野三叉路から永田岳に行くことにしました。


 焼野三叉路から少し道を入ったところにザックを置いて、カメラと500mLペットボトル1本だけを持って永田岳へ向かいます。
 面白い岩だと写真を撮ったのですが。永田岳北東のネマチかもしれません。


 岩に掛けてあるロープを伝って、岩の上に立つと永田岳の山頂です。北西に永田の町が見えます。


 北北西に障子岳の前障子が見えます。雲が湧いたり消えたり。今日は屋久島の周囲が雲に厚く覆われているのに屋久島の上だけ雲が無くなっているような感じです。運がいいです。


 障子岳です。雲が掛かってきました。今日はどのピークもこの繰り返しです。


 周囲の雲はこんな感じです。


 永田岳の山頂です。誰もいません。さっきまで岩の上でした。ロープがあって簡単に登れます。今日、永田岳に登ったのは、多分10人位だと思います。永田岳への登山道で出会ったのは1人だけ。宮之浦岳頂上からも眺めていましたが、永田岳方面に行く人は少ないです。 


 宮之浦岳に着きました。山頂には主に淀川小屋から登ってきた登山者が10名位いました。
 写真は先程まで登っていた永田岳です。こちらの登山道には木道が無いので部分的に登山道のえぐれが激しい部分があります。宮之浦岳への登りも少しえぐれている部分があります。


 宮之浦岳山頂から見た焼野三叉路付近です。左に行くと永田岳です。現在、避難小屋周囲以外での幕営は禁じられていますが、綺麗に整地された場所があります。規制される前は幕営地だったのかもしれません。


 左が永田岳で右がネマチです。


 これから歩く縦走路です。正面手前の山が栗生岳、左が翁岳、栗生岳の右が安房岳、右端が筑紫岳です。


 最後の水場を過ぎて行くと綺麗な水が溜まっている場所がありました。魚のようなものが驚いて隠れるのが見えたように感じたのですが、目の錯覚?
 東北の川なら本当に小さな川の末端にまで岩魚の子どもがいたりするのを見たことがありますが、水の流れが連続してないこんな所に魚がいるはずはないように思うのですが。疲れで頭がどうかしてたのかな。


 筑紫岳を回りこむ辺りから眼下に投石平が、正面に黒味岳が見えてきます。黒味岳にも寄りたかったのですが、体力的に無理です。
 水場で補給するつもりだった水も切れ。この辺りでは、次の「水場はどこにあるのだろう」とそればかり考えていました。


 花之江河です。20数年前は霧の中で風情があったのですが、晴れ渡った花之江河は今一です。


 小花之江河では2頭の鹿が湿原の中に入って草を食べていました。奥の鹿は腹まで湿原の中に体を沈めて、湿原をかき混ぜるというか、耕している感じです。
 これは完全に拙い状態だと思うのですが。どう考えても鹿が異常繁殖していると思います。


 16時にやっと淀川小屋に着きました。今日の宿泊者はテント組みも入れて7組12人位です。


 20年前と変わっていないのですが、少し小さく感じました。夜はここもヤクシマヒメネズミが出て、餌をあさります。
 朝ごはんの為に出しておいたクノールスープの袋をかじられてしまいました。寝むると体の近くまで餌をあさりに来ます。20年前はこんなことはありませんでした。やはりここでも何かおかしくなっています。夜、雨が降りました。朝起きてみるとテント組のアベックは、ザックを小屋においてどこかに行ったようです。


 携帯電話使用可能ポイントに関する案内が張ってありました。確かに結構、携帯が使えるポイントはありますが、電源を入れっぱなしていると非常に早く電池が消耗します。要注意です。私は出発前に携帯をフル充電してきたのですが、宮之浦岳に着く前に電池残量のインジケータが3本から2本になったので、使用時以外は電源を切るようにしました。因みに私の携帯は買い換えて約1ヶ月の新品ですので電池は元気のはずです。


 今日は紀元杉まで歩いて、後はバスに乗って、トッピーに乗って帰るだけです。
 急ぐ必要も無いので淀川小屋で雨が止むのを待っているとガイドに連れられた登山者がどんどん登ってきます。屋久島出身と言うガイドさんに鹿が増えたように思うと話をすると、ガイドさんは昔は猟師と一緒に山に入って、そのまま野犬化した犬がいたので、それが鹿を食べていたのが、最近は野犬がいなくなったために鹿が増えたのだろうとの意見でした。
 待っても雨が止まないので、弱まった雨の中を淀川入口に向かいました。淀川入口は舗装されて、トイレもあり、立派です。昔とは比べものになりません。


 とことこと紀元杉まで歩いていきます。紀元杉のバス停に着いても紀元杉が無いので、もう少し先まで行くとありました。
 バスに乗り組むと運転手さんが、「台風6号が直撃だよ」というので「どこを?」と頓珍漢な質問をすると「屋久島を」とのこと。さらに「もう高速船は運行を止めたかもしれない」という。頭の中はパニック。13:30のトッピーが動かないなら運転手さんがいうフェリーにするか等と考える。
 無線が通じるところまで降りたらトッピーの運行状況を確認してあげると運転手さんがいうので確認してもらったら、安房発が宮之浦港発に変更になったという。慌ててバスを乗り換えて宮之浦港まで行くとフェリーも接岸しているが、フェリーは綱で港に固定できないために欠航するという。トッピーも波で揺れているが何とか出航できたのでした。
 家に着いたのが22時頃。高速バスはやっぱり疲れました。へとへとになりながら何とか帰り着いたのでした。

【後書き】
 ガイド付き登山に携帯型トイレ。屋久島では確実に新しい登山文化が芽生えているのを感じました。一方で鹿の異常繁殖(実際はどうなのか、分かりませんが)と山小屋におけるヤクシマヒメネズミの跋扈。早い段階での対策が必要ではないかと思いました。
 しかし、屋久島はもっと景色を見ながら時間を気にせずゆっくり歩いて楽しみたい山です。

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